Jun 1, 2024
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朝香 豊 氏による映画「長春」の感想文

(写真は nippon-saikou.com よりスクリーンショット)

 

臓器狩りに焦点を当てた作品なんだろうなと勝手に思っていましたが、実際に見てみると想像とはかなり違った題材でした。

アニメーションの展開が実に斬新で、すごい作品だなと感心しました。作画をされた大雄(ダション)さんの画力が、よく活かされています。

ストーリーが展開される中では様々な残酷さも描かれていきますが、そうした一つ一つの残虐さをクローズアップさせるようなやり方を取らなかったところは、全体としての作品を品のあるものに仕上げていると思いました。ロフタス監督の高い力量を感じました。

映画を見ながら、どういう生き方が正しいと言えるのかを、様々に考えました。

一時的にTVジャックをしたところで、法輪功に対する人々の誤解が解けるということも恐らくないだろうし、様々なリスクを負ってここまでのことをやるのが正解なのかと疑問に感じる立場にも、一定の正義はあると私は思います。

他方で、自分や仲間が結果として大きく傷つくことがあっても、心の正義を優先して行動するということにも、一定の正義があるとも思います。

自分が当事者となった場合にどちらを選んだんだろうと考えた時に、私であれば前者だったのではないか、中国国外に脱出して、国外からできる限りに情報戦を仕掛けるような動きを考えたのではないかと思います。

しかしながら、自分がそうだとしても、TVジャックを実行する選択をした人たちを、現実を理解しない愚か者だと下に見るようなことは絶対にできないでしょう。

さてこの日本においても、主流派メディアの見解とは違っている私のような言論が、世間で大きく取り扱われるようなことはありません。センシティブな話題を取り上げると、動画プラットフォームの抑圧は強化されることになります。その点では日本においても、完全な言論の自由が保証されているとは言えないでしょう。

しかしながら、少なくとも何を言ったところで逮捕されるようなことのないこの日本にいることは、大変な恵みですよね。そのありがたさを改めて感じるとともに、この立場に安住しないで、中国の人たちの置かれた状況を変えるのに、日本人として何ができるのかを考えていかなければならないとの思いを強くしました。

人間の幸せって何でしょうね。単に物質的に恵まれた安穏とした暮らしが送れることではないように私は思います。

自分の置かれた状況を冷静に捉えながら、自分を超えた社会的な価値のために真正直に生きるーこれは私が常日頃から思っている幸せに生きるために大切にしていることですが、この信念は間違っていないなということを、改めて確認できたと思っています。

そして映画の中に出てきた様々な法輪功の修練者の方たちも、そうした信念の中で生きていたんだろうと思います。

とても素敵な映画、ありがとうございました。

朝香 豊